(写真の番号)は、とても良い写真だと思う。
アッパー、カウンター・ライニング(*)、それぞれの部品がよく分かる。
ここから踵部分にアッパーを固定していた釘を一本ずつ抜いていく。
細いマイナスドライバーを使用。
アッパーを持ち上げてみる。
(ここの赤いラインはフェラガモにメールして聞いてみる。)
このあたりで再び、解体される前の靴を比較してみよう。
ヴァンプ(*)部分にあるリボンが無いとフェラガモとは言い難く、
アッパーが無いと靴とは認識できないことが分かった。
ヒールの有無は、あまり関係と思う。
アッパーを完全に外すには、釘を一つずつ抜く必要があることが分かったので、
大活躍のマイナスドライバーで、アウトソール(*)を剥がす。
片足分のローヒールのパンプスでも、このように大きく形状を変えれる。
靴のパーツは自然に劣化していき、特に一部は独特の色合いを出していた。
(写真の番号)なんて、本当に美しい色彩がある。
廃墟マニアが朽ちる建物が美しいと言うように、
私も靴がこのように、履きこんだ日々を語るような色彩をされると堪らなくときめく。
しかも、この靴を履いていた方は
22.5センチのフェラガモの靴を履けるような大人の女性である。
プラスアルファで価値が上がっている。
アウトソールを完全に外せた。
次にアッパーを外すしながら、その他の部品も剥がしていく。
カウンターライニングを分離さすことに成功した。
カウンターライニングを外し、アッパーを整えたら靴に見える。
リボンがある時・・・
フェラガモになった。
このリボンの影響は大きい。
中敷
ヒールネイルも何もかも、靴のネジや釘は全てマイナスドライバーで抜いた。
あまりに小さいネジと釘だったので、くぎ抜きは使えない。
カウンターライニングが二枚に合わさっており、丁重に剥がしたかったが、
薄い革だったのと履く時のダメージで傷みがあったので、
渋々接着剤剥がしを使用した。
しかし、パーツが変色してしまうので、接着剤剥がしは少量で剥がすことに努めた。
(写真の番号)は足の甲あたりの接する部分にあったパーツだ。
これはフェラガモだけのパーツだと思われる。
製品番号らしき数字だが、真意は定かでは無い。
また先日、フェラガモ心斎橋高島屋店に行って同タイプの靴を見てきたが、
このようなパーツは無かった。
(フェラガモにメールして聞いてみる)
中敷にシャンク(*)と呼ばれる鉄の芯が靴に必ず入っているらしいので、
ちゃんとあるか探してみた。
入ってた。
実際に解体している時は、シャンクの存在を知らず、
初めてシャンクを見た時は、何故靴に鉄の芯が入っているんだと知的好奇心が震え上がった。
フェラガモ以外にも安価の大量生産してるパンプスも解体したが、
やはりシャンクは入っていた。
シャンクが無いと、靴として機能しなくなると靴を作る職人の方が教えてくれた。
これが無いと、シャンクが入っている部分に体重が一気にかかり、底が歪んでしまう。
だから中敷の間に入れ、衝撃から靴を守るクッションの役割になっているのだ。
次にボックス・トウ(*)をアッパーから剥がしていく。
アッパーの革も、ボックストウも少しでも綺麗な状態で靴から部品に戻す為、
時間をかけてゆっくりと剥がしていった。
このボックストウも、素敵な発見があった。
薄くピンク色の部分がある。
これは履いていた方のマニュキュアの色が写ってしまっているのだ。
マニュキュアの色が写るぐらいに、
足を靴に押し込めていたのが分かってしまった。
絶対、履いていた本人は知る術が無いだろう。
靴を解体した私だけが、履いていた方が足を押し込めて靴を履き、
ピンクのマニュキュアを塗る22.5センチよりも若干大きい足の持ち主という、
事実を知っている。
フェティシズムの一種と言われても仕方無いが、
解体したボックストウだけが知っていた秘密を知ってしまい私は興奮した。
そして、本来フェラガモの靴とは、
こういった足を無理やり押し込める女性たちの苦痛を無くすために出来たブランドの筈が、
この靴を履いた女性には伝わっていないことも、このボックストウで分かるのだ。
以上、フェラガモの靴を解体した記録である。